忍び最新話がよかったので言いたいことができてちょっと戻ってきました
話題が思いの外多くなったので小見出しで分けて話します
■今後の方針について
前までのような熱量で絵を描いたり語ったりはたぶんもうできないな…とこの数ヶ月で悟ってしまったので今後の更新はほぼ無くなると思ってもらえればと
(精々ラフな一枚絵が、それもどれだけ多かろうと年に数枚だけぽろぽろ出てくるとかそんなんになる気がします)
サイトそのものは金銭的な事情にぶち当たるか権利者サイドに怒られるかしない限りはとりあえず消すことは無いかと思います
時間とお金をそれなりに掛けてたものだし備忘録も兼ねてたしで更地にするのはやはり惜しいという気持ちも勿論あるのですが、
自分の絵や感想・解釈を好いてくださる方、公式に対して自分と同じような違和感や不安不満を抱いている方がいると知ってしまった以上、痕跡すら残さず消えるのはたぶん後味が悪いなと感じる気持ちが芽生えてしまったので
自分自身いろんな場所で何度も味わった経験があるけれど、もし逆の立場だったら…を考えるとサイトそのものの削除は思い留まる形に収まった次第です
身勝手かつ自惚れも甚だしい話ですが
ツイッター(現X)のアカウントは忍びの連載が終わったら消すつもりです たぶんもう使わないので
■コメントへの返信
こんな記事の中でお返事をするのは申し訳無いので別記事を用意しました。
コメントくださっていた方はこちらからどうぞ。
重ねてになりますがご返信が非常に遅れてすみません…。
■忍び最新話
信長の描写は本当に本当に良かった 答えが視えた刹那意識より先のところで漏れ出たような、千鳥へ命じるでなく自分自身に確かめかけるような「…光秀」がめちゃくちゃ好き
秀吉の千鳥使いの荒さって信長の目に留まるほどのものなんだな…
信長の処断とそのせいでより深まる光秀とのすれ違い、あと単純に展開が全くの想定外だったのでこうきたかぁとゾクワクする反面、それを受けた千鳥の悲しみがどうにも上滑りして白々しく見える 以前に松永惜しさに自ら信長の家臣辞めようとしてたよね君
あそこが公式に対して全面的な信頼を置けなくなったターニングポイントだったんですよね思い返せば たとえ一時の気の迷いだろうとあえての行動であろうと駄目でしょ…千鳥が何よりも常に優先するものが信長じゃなくなった瞬間が存在するのは…
元から千鳥と松永の離別をああする構想があったのかそれとも一部の層への突発的なファンサービスのつもりだったのか両方なのか知らんがどちらにせよどうしようも無く信用に欠ける
千鳥の命を何度も救って軍師としての頭脳を駆使した忍び使いとして息の合った連携を見せて数多の戦を共に駆けた半兵衛との別れはあんなにもあっさりしたものだったのにな 死を遂げた次号に何事も無かったように新展開に進んだ時の「1号読み飛ばした?」って感覚二度と忘れない
遠藤直経がその命を使って授けた教えが何一つ響いてなさそうな千鳥の信貴山でのあの行動を、というよりも千鳥にあんなことをさせた公式を何年経っても許せそうにない キャラクターとしての死だあれは
■終わりに
以下愚痴の総括の垂れ流しなので読まなくて問題無いです
すぐ上の本誌感想を見れば一目瞭然のとおり
もう何を読んでも粗が見えたり無意識で「良い所探し」をするような読み方になってたりと基本が否定寄りの立場になってしまったのでかつてのような熱をもって作品を丸ごと愛することはできなくなってしまったけど
長年掛けて際限無く膨らんでしまったキャラクターへの愛情や今もなお輝く過去の秀逸な描写を思えばこそ怒りとかよりも悔しいとか悲しいとか何でこんなことにって気持ちが先に立つ
だって過去の単行本を読み返すと明らかに近年とはキャラクターへの当たりの強さが違うんだから
持ち上げたいキャラは「いい人だー!!」「◯◯だけどいいヤツ…」などと雑に周りのキャラに褒めそやさせて
逆に貶めたいキャラは外見も内面も愚かしく描き周囲やナレーションから罵詈雑言を吐かせ”そう”扱われても仕方無いかのような人物像を強調して
まるでこちらの思考を登場人物たちの台詞越しに作者から誘導されているような気分になる
悪し様に描かれる勢力を見せられるにつけ乱世に正義も悪も無いとは何だったのだろうとなる
これで最後になるかもしれないのでぶっちゃけておくけど
自分が忍びの光秀を最初に好きになった沢山ある理由の内のひとつって世間に流布された愛妻家としての逸話に偏った人物像には全く頼らずして魅力を形成確立していたからなんですよね
それでも奥さんが出てきて彼にとってとても大切な人だったと描かれたところまでは(帰蝶様帰蝶様言ってて元々は妻の存在が影も形も無かった描かれ方から多少なりご都合な方向転換を感じたとはいえ)別に良い 彼が守りたかったものの一つとして描かれるぶんには何の齟齬も無かったから
でもキャラの根幹であり何があっても絶対に公式側でブレることは無いと信じて疑わないでいた「真面目」「自分よりも家臣を優先」という彼の個性であり人間的長所を男女のイチャイチャのために後から時間差でぶち壊された苦しみと憤りと虚無感が分かるか
このまま旅人になるのもいいだのうきうき夫婦旅だの馬鹿じゃねえの 周りにうんざりされるくらいには生真面目で規律を重んじるやつが自城の塀に相合い傘の落書きするんだ ふーん
顔がいいだの心底どうでもいい部分をその代わりと言わんばかりに雑にアゲられても知ったこっちゃないんだよこっちは
あの夫婦の必要以上にベタベタせず下品さなど感じようもない清らかで穏やかで暖かい雰囲気が好きだったのに 待望だったはずのスピンオフではやれ乳と尻が大きいだの部下の前で肉体関係を仄めかすだの 心底気持ち悪くて仕方無かったしあれで喜べる気が知れなかったしそういう層が読者の大部分を占めてそうな空気に吐き気がした
キャラクターの個性信念品性人間関係を蔑ろにしてまで恋だ愛だ肉欲だをそんなに描きたかったのならば段階的にそういう作品にしていくつもりだと初めから喧伝してくれていればこちらは公式側の「想定」からズレた滑稽も甚だしい要らない期待をしなくて済んだのにという恨み節ばかりが募り続けた
身分も性別も序列も関係ない友情や忠義の絆に惹かれてはそれらを「優先順位」によって明にも暗にも捻じ伏せられて お前の好きなものはせいぜい二番手以下に過ぎないと突きつけられてるようで ただ原作にあるものを好いているだけのはずなのに公式に背いて悪い事をしているような気持ちになっていった
反響が大きいキャラや組み合わせをあからさまに優遇して そうでないものはたとえ夫婦であろうと四人組集団の中の二人であろうと扱いが杜撰になる分かりやすさに失笑した
描きたいものを心のままに描いている結果が今の惨状なのか善意のファンサービスのつもりで媚びの姿勢を見せているのかその両方なのかを知るすべなんぞ無いが どちらにせよ昔の筆致が大好きだった側からすれば日毎に失望しか生まれてこなくなった
光秀と藤孝どちらかが女性だったなら二人の決別も茶化さず丁寧に扱ってもらえたのかななんて届くわけもない皮肉が浮かんでは自嘲した
作品の長い長い歴史からすれば自分がのめり込んでいた約7年の時間なんて些末なものかもしれないけど それでも自分にとってはこれ以上好きになる作品なんてこの先ありはしないと思えるほど鮮烈で濃密な時間だった
お話も絵も大好きで誇張抜きに人生を沢山の面で変えられるほど入れ込んで寝る間も惜しんで考えて語らって尊敬していて本当に大好きだったのにこんな醜い感情と言葉をぶつけるようになんてなりたくなかった
これだけ呪いを吐いておきながら自分の見たいものが見られた時だけ喜ぶのは虫が良いという気分になってとうとう光秀と藤孝に関して長々と語る気力も萎んでしまった
飽きや嫌気を言い訳にして簡単に放り捨てられるような作品だったらこんなにもウダウダと長いこと苦しまなかった
受け入れられない自分がおかしいのだと考えて苦手な部分もどうにか好きでいようと努力した期間もあったけどもう何もかもが我慢の限界だった
勝手に期待して勝手に冷めたこちらが悪かったんですかね
とりあえず徳川家康公へのリスペクトを誠心誠意注いで描いていると胸を張って言えるのかと 訊けるもんなら問うてみたい